文学のお散歩

東京近郊・近代文学を中心に作家・作品ゆかりの地をご紹介します。

糸瓜忌 子規庵特別展示のお知らせ

9月19日は糸瓜忌。正岡子規(慶応3.9.17(陰暦)~明治35.9.19 俳人・歌人)の命日です。 根岸の子規庵では、糸瓜忌特別展示が開催されています。 2023糸瓜忌特別展示開催中。目玉は初公開の明治30年1月2日の歳旦帳ですが、子規の日常生活に使用した遺品も同時に…

長谷寺

江ノ電長谷駅から大仏に向かう手前にある長谷寺。 天平8年創建の、いわずと知れた鎌倉有数の名古刹。 紫陽花寺としても有名で、修学旅行や遠足の子どもから外国人観光客まで、人足の絶えることない人気のお寺です。 そんな多くの参拝客で賑わう長谷寺の、入…

日本近代文学館

京王井の頭線駒場東大前駅からほど近い、駒場公園内にある「日本近代文学館」。 明治以降の日本文学の資料を、収集・保存・展示する資料館です。 所蔵品は、9万3千点余りの原稿や草稿、日記、遺品、48万冊を超える書籍、2万8千タイトル60万冊を超える雑…

根津神社~根津裏門坂・新坂

日本医科大学付属病院と東大弥生キャンパスの間に位置する「根津神社」。 日本武尊が創祀したという古い伝承を持つこの神社は、朱塗りの社殿に唐門、透塀など、権現造りといわれる江戸時代の遺構が良く保存された神社で、文学作品にも良く登場します。 宝永…

夏目漱石旧居跡~猫の家

薮下通りを下り切り、根津裏門坂に突き当たると左右が日本医科大学。 masapn2.hatenablog.jp 右手本郷通に向かって坂を登って行き、日本医大前の信号(一炉庵という和菓子屋がある所)を右折し、進んで行くと日医大同窓会橘桜会の建物の敷地内に、「夏目漱石旧…

芥川龍之介記念館建設開始⁉

田端の芥川龍之介旧居跡の隣地に、ずっと建設予定だった「芥川龍之介記念館」が、ようやく着工へ向けて始動しそうです。 www.asahi.com 北区が平成30年から建設を予定していた「芥川龍之介記念館」。 コロナ禍を挟んで、ずっと建設が延期されたままになって…

薮下通り

団子坂上の鷗外記念館から、根津神社方面へ下っていく坂道が「薮下通り」。 昔は本郷台地の中腹から根津方面に抜ける間路であり、踏み分け道であったこの道は、 江戸時代の切絵図(区分地図)を片手に、日和下駄を履いて蝙蝠傘を持って、東京市中の路地や坂道…

森鷗外記念館

千駄木の団子坂を上りきると、左手に「森鷗外記念館」(旧・鴎外記念本郷図書館)があります。 森鷗外(文久2.1.19(陰暦)~大正11.7.9 小説家・医師)が、明治25年から大正11年に亡くなるまで、30年に渡って居住した「観潮楼」跡地です。 「観潮楼」とは、潮を観…

団子坂

東京メトロ千代田線千駄木駅を出ると、すぐ西に上がる坂が「団子坂」。 名前の由来は、昔、坂の下に団子屋があったからとか、急な坂なので雨降りのとき、転ぶと泥団子のようになるから等々、いわれのある坂道です。 他にも「潮見坂」「千駄木坂」「七面坂」…

上の坂から与楽寺坂、天然自笑軒跡~田端その4

田端の高台にある芥川龍之介居住跡から東南に下っていくと、 masapn2.hatenablog.jp 階段状の細い小さな坂道があります。 看板をみると「上の坂」。 坂の名の由来は不詳だそうです。 近くに住んでいた芥川龍之介(明治25.3.1~昭和2.7.24 小説家)、香取秀真(明…

喜久屋洋菓子舗

横浜、元町商店街にある「喜久屋洋菓舗」。 大正13年創業の老舗洋菓子店です。 創業者は石橋豊吉。ヨーロッパ航路の貨客船で、パン職人、料理人を務めたのち、元町にこの店を開きました。 元町通りが、山手の外国人居留地と、山下町の外国人商館とを結ぶ通勤…

神奈川近代文学館

横浜、港の見える丘公園から伸びた霧笛橋を渡った先に、ひっそりと佇む円形の建物。 ここは「県立神奈川近代文学館」。 神奈川にゆかりのある近代文学の作家・作品の資料を蒐集・保存・展示している文学館です。 開港の地横浜や、古都鎌倉を擁する神奈川には…

鎌倉文学館

江ノ電由比ヶ浜駅から北へ7分ほど歩いていくと、緩やかな石畳の坂道があり、その先にあるのが「鎌倉文学館」。 加賀百万石藩主前田利家の系譜である、旧前田侯爵家の鎌倉別邸だった洋館です。 前田家の鎌倉別邸は、もとは明治23年に和風建築の館が建てられ…

芥川龍之介旧居跡~田端その3

大正3年10月末、芥川龍之介(明治25.3.1~昭和2.7.24 小説家)一家が、北豊島郡滝野川町字田端435番地(現田端1丁目19-18)に家を新築し、引っ越してきました。 (一高時代の芥川龍之介) 芥川の家は、もとは本所両国にありましたが、明治43年の夏、本所界隈は大…

古桑庵

自由が丘駅正面口を出て右、お洒落なショップ建ち並ぶカトレア通りを、5分ばかり進んで行くと、ふと駅前の喧騒が晴れ、静かな住宅地の趣になり、右手に落ち着いた古民家が現れます。 突然、タイムスリップしたかのような景色。とても自由が丘とは思えない異…

江戸坂から童橋公園~田端その2

田端は坂の多い町です。 大正3年、田端に越してきたばかりの、当時まだ東京帝国大学の学生であった芥川龍之介(明治25.3.1~昭和2.7.24 小説家)が、友人の井川恭に宛てた手紙(大正3.11.30)で、 「たゞ厄介なのは田端の停車場へゆくのに可成急な坂がある事だ …

うさぎの潜む空き地~KeMCo新春展2023

慶應義塾ミュージアム・コモンズにて、ただいま「うさぎの潜む空き地 鏡花のお気に入りたち」展開催中です。 今年の干支である、卯にちなんだ展覧会。 泉鏡花(明治6.11.4~昭和14.9.7 小説家)は、向かい干支がうさぎであったことから、たくさんのうさぎ雑貨を…

漱石山房記念館~夏目漱石終焉の地

地下鉄東京メトロ東西線早稲田2番出口を出て東側、夏目坂とは反対方向へずんずん進んでいくと、「漱石山房通り」という標識があります。 masapn2.hatenablog.jp この標識沿いに進んでいくと、左手に見えるは「漱石山房記念館」。 「漱石山房」とは、夏目漱…

夏目漱石誕生之地~夏目坂

地下鉄早稲田駅(東京メトロ東西線)2番出口を出てすぐの交差点を、市谷方面に上がっていく坂道があります。 この坂道は「夏目坂」。 そう、あの文豪、夏目漱石の「夏目」です。 この「夏目坂」のふもと、地下鉄早稲田駅出てすぐの交差点の近くで、慶応3年1…

カフヱーパウリスタ

銀座に現存する最古の喫茶店「カフヱーパウリスタ」。 明治44年に、南鍋町(現在の銀座6丁目)にオープンしました。 創業者は水野龍。ブラジル移民を仲介する、皇国殖民合資会社の社長でした。 水野は、ブラジルへの日本人移送の見返り、及びブラジルコーヒー…

羽二重団子

「行きませう。上野にしますか。芋坂へ行って団子を食ひませうか。先生あすこの団子を食つた事がありますか。奥さん一返行つて食つて御覧。柔らかくて安いです。酒も飲ませます。」⦅「吾輩は猫である(五)」夏目漱石『ホトトギス』第八巻第十号 明治38.7.1⦆…

子規庵

台東区根岸二丁目。山手線の鶯谷駅を北口から出て、五分ほど歩いたところに、正岡子規(慶応3.9.17(陰暦)~明治35.9.19 俳人・歌人)の居住跡である「子規庵」があります。 四国は愛媛県松山の出身である正岡子規は、明治16年に上京したあと、都内で数回転居し…

田端文士村記念館~田端その1

東京都北区、山手線の田端駅北口を出てすぐのところに、「田端文士村記念館」があります。 かつて田端に住んでいた芸術家や文学者たちの、作品や原稿、書簡などを展示し、その業績や、田端での暮らしぶりを紹介する区立の施設です。 田端は明治中頃までは閑…

うさぎや

上野広小路にある「うさぎや」。 大正2年創業の和菓子屋さんです。 「どらやき」が有名な、現在でも行列の絶えない人気店です。 創業者は谷口喜作(明治35.6.16~昭和23.5.25)。 俳人でもあり、河東碧梧桐(明治6.2.26~昭和12.2.1 俳人)主宰の俳句雑誌『海紅』…

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また肖像画像は、国立国会図書館電子展示会「近代日本人の肖像」https://www.ndl.go.jp/portrait/より転載しています。