横浜山手の港の見える丘公園、神奈川近代文学館の隣、沈床花壇の前に、とても特徴的なデザインの、赤いレンガタイルの洋館が建っています。
この建物は「大佛次郎記念館」。
横浜の出身の作家大佛次郎(明治30.10.9~昭和48.4.30 小説家)の記念館です。
(大佛次郎)
大佛次郎は、横浜英町(現・中区英町)に生まれました。この記念館のある港の見える丘公園から、谷戸坂を下った先にある、山下公園前のクラッシックホテル「ホテルニューグランド」に仕事場を置いたり、結婚したのち鎌倉に居を定めるなど、神奈川にゆかりの深い作家、まさに神奈川が生んだ小説家です。
「大佛次郎・おさらぎじろう」というペンネームも、鎌倉に由来します。そう、あの鎌倉といえばの、長谷の大仏様です。
なんでも、大仏のある長谷の高徳院裏に住んだとき、本物の大仏が太郎だから、自分は次郎にした。「大佛」の読みは、鎌倉北条氏一族が、この土地に住むのを「大仏」と書いて「おさらぎ」と読んだからだということなのだそうです。
この特徴的な、アーチ型の屋根を持つ建物の設計は、倉敷出身で大原美術館の設計でも知られる浦部鎮太郎(明治42.3.31~平成3.6.8 建築家)。外壁のレンガタイルの赤、ステンドグラスの青、床の大理石の白は、フランスの国旗トリコロールをイメージしたもの。大佛文学が、フランスの文学や歴史を、バックボーンにしていることによっているのだそうです。
当記念館では、遺族から寄贈された、大佛の直筆原稿、書簡、著作物、愛蔵の和洋の書籍、古地図、SPレコード、絵画など、70,000点もの資料を所蔵し、大佛の作品や人となり、ライフスタイルなど様々な切り口から、この豊富な資料を生かして、魅力的な展覧会を行っています。
館内では、「来世は猫だ。」というほど猫を愛した大佛の猫グッズも、随所で見ることができます。
そしてなにより圧巻なのは、再現書斎。家が買えるほど⁈高価で良質な木材で作られたという大きなベッド。うず高く積まれた和洋の書籍の数々、そしてここにもあちらこちらに猫の置物が・・・。
重厚感溢れるとても魅力的な書斎です。こんな素敵な書斎、住んでみたくなってしまいます。
他には、アーチ型に組まれた壁越に見える障子窓の美しい和室や、季節ごとにしつらえの変えられるサロンスペースなどの施設も充実しています。
展示を見た後は、併設の「カフェ霧笛」でティータイム。
こちらでは、大佛夫人のレシピで作られたチーズケーキをいただくことができます。
ベイクドだけど、レアチーズのような味わい。チーズが2層になっています。
こちらにも猫ちゃんがいっぱいです。
神奈川県横浜市中区山手113番地
☎0456225002
開館時間 10:00~17:30(4~9月)
10:00~17:00(10~3月)
休館日 月曜日 年末年始
入館料 大人200円 小・中学生無料
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