文学のお散歩

東京近郊・近代文学を中心に作家・作品ゆかりの地をご紹介します。

大佛次郎記念館

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横浜山手の港の見える丘公園神奈川近代文学館の隣、沈床花壇の前に、とても特徴的なデザインの、赤いレンガタイルの洋館が建っています。

     

この建物は「大佛次郎記念館」。

横浜の出身の作家大佛次郎(明治30.10.9~昭和48.4.30 小説家)の記念館です。

猫を愛した作家の企画展「大佛次郎×ねこの写真展 2018」が開催2/20〜 | Cat Press(キャットプレス)

(大佛次郎)

大佛次郎は、横浜英町(現・中区英町)に生まれました。この記念館のある港の見える丘公園から、谷戸坂を下った先にある、山下公園前のクラッシックホテル「ホテルニューグランド」に仕事場を置いたり、結婚したのち鎌倉に居を定めるなど、神奈川にゆかりの深い作家、まさに神奈川が生んだ小説家です。

 

大佛次郎・おさらぎじろう」というペンネームも、鎌倉に由来します。そう、あの鎌倉といえばの、長谷の大仏様です。

なんでも、大仏のある長谷の高徳院裏に住んだとき、本物の大仏が太郎だから、自分は次郎にした。「大佛」の読みは、鎌倉北条氏一族が、この土地に住むのを「大仏」と書いて「おさらぎ」と読んだからだということなのだそうです。

     

この特徴的な、アーチ型の屋根を持つ建物の設計は、倉敷出身で大原美術館の設計でも知られる浦部鎮太郎(明治42.3.31~平成3.6.8 建築家)。外壁のレンガタイルの赤、ステンドグラスの青、床の大理石の白は、フランスの国旗トリコロールをイメージしたもの。大佛文学が、フランスの文学や歴史を、バックボーンにしていることによっているのだそうです。

 

当記念館では、遺族から寄贈された、大佛の直筆原稿、書簡、著作物、愛蔵の和洋の書籍、古地図、SPレコード、絵画など、70,000点もの資料を所蔵し、大佛の作品や人となり、ライフスタイルなど様々な切り口から、この豊富な資料を生かして、魅力的な展覧会を行っています。

 

館内では、「来世は猫だ。」というほど猫を愛した大佛の猫グッズも、随所で見ることができます。

そしてなにより圧巻なのは、再現書斎。家が買えるほど⁈高価で良質な木材で作られたという大きなベッド。うず高く積まれた和洋の書籍の数々、そしてここにもあちらこちらに猫の置物が・・・。

重厚感溢れるとても魅力的な書斎です。こんな素敵な書斎、住んでみたくなってしまいます。

他には、アーチ型に組まれた壁越に見える障子窓の美しい和室や、季節ごとにしつらえの変えられるサロンスペースなどの施設も充実しています。

     

 

展示を見た後は、併設の「カフェ霧笛」でティータイム。

     

こちらでは、大佛夫人のレシピで作られたチーズケーキをいただくことができます。

     

ベイクドだけど、レアチーズのような味わい。チーズが2層になっています。

     

こちらにも猫ちゃんがいっぱいです。

                   

大佛次郎記念館」現在の展示は、「大佛次郎木村荘八ー作家と画家、そして猫」。

会期は4月14日(日)まで。

     

 

只今、お隣の神奈川近代文学館でも、大佛次郎の小展示会が行われています。

masapn2.hatenablog.jp

 

大佛次郎記念館

神奈川県横浜市中区山手113番地

☎0456225002

http://osaragi.yafjp.org

開館時間 10:00~17:30(4~9月)

     10:00~17:00(10~3月)

休館日  月曜日 年末年始

入館料  大人200円 小・中学生無料

 

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また肖像画像は、国立国会図書館電子展示会「近代日本人の肖像」https://www.ndl.go.jp/portrait/より転載しています。