文学のお散歩

東京近郊・近代文学を中心に作家・作品ゆかりの地をご紹介します。

『芥川龍之介がみた江戸・東京』展 於:たばこと塩の博物館

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東京・墨田区にある「たばこと塩の博物館」で、只今『芥川龍之介がみた江戸・東京』展開催中です。

     

     

芥川龍之介(明治24.3.1~昭和2.7.24 小説家)は、東京市京橋区入船町(現・中央区明石町)に生まれましたが、生後約半年で母方の実家芥川家に預けられ、後養子として育てられます。

当時、養家の芥川家があったのは本所両国。大川(隅田川)の流れとともに、江戸情緒を色濃く残しながらも、鉄道や工場、学校の建設など、近代化の波も続々と押し寄せてくる地域でした。そんな大川端で、18歳までの少年期を過ごした芥川。大川はじめ、この地への愛着も深く、長じて作家になってからも、「大川の水」(大正3.4.1 『心の花』)や「追憶」(大正15.4.1 『文芸春秋』)「本所両国」(昭和2.5.6~22 『東京日日新聞』)などに、少年時代のノスタルジーを抒情豊かに綴っています。

本展では、そんな芥川の目に映った江戸・東京を、芥川の文章と当時の絵葉書や写真などの豊富な資料とともに、時系列で辿っていきます。

 

また、「現代十作家の生活振り」(大正14.1.1 『文章倶楽部』)に、

 

一日の喫煙量は、平均バット二つと敷島二つであるが、一番多量に喫むのは、執筆中か客と対応する時だ。故に、面会日の日曜の喫煙量が最高である。

 

と記す愛煙家の芥川。佐藤春夫(明治25.4.9~昭和39.5.6 詩人・小説家)によると、一晩になんと180本も吸った!という証言もあるほど、芥川は信じがたいほどの超ヘビースモーカー。そんな芥川愛喫の「敷島」や「ゴールデンバット」、

     

作中に登場する「朝日」「三笠」、

     

「STAR」「Air Ship」などの舶来たばこも展示中です。

     

他には、たばこ伝来の伝説を近代的な説話風に仕上げた、芥川の第二短編集『煙草と悪魔』(大正6.11.10 新潮社)や、大叔父にあたる大通の細木香以(文政5~3.9.10 俳人・商人)愛用の美しい煙管なども展示されています。

     

     

(※展示物の画像は写真撮影可の物です。)

 

芥川龍之介がみた江戸・東京』展、会期は11月12日(日)まで。

                    

たばこと塩の博物館

東京都墨田区横川1-16-3

☎0336228801

https://www.tabashio.jp

開館時間 10:00~17:00

休館日  月曜日(祝日の場合は開館) 年末年始

入館料  大人100円 65歳以上・小・中・高校生50円

 

参考文献

芥川龍之介全集 第十二巻』芥川龍之介 1996.10.8 岩波書店

芥川龍之介の顔』松本哉 1988.2.15 三省堂

芥川龍之介事典』菊地弘・久保田芳太郎・関口安義編 明治書院

 

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また肖像画像は、国立国会図書館電子展示会「近代日本人の肖像」https://www.ndl.go.jp/portrait/より転載しています。